小説「女神の島」を読了。

台湾生まれの作家、陳玉慧の「女神の島」を読了です。
作者自身がモデルの「私」とその両親、祖父母の三代の家族史を台湾の現代史と交錯させて描いた大河小説です。
「私」の母方の祖母、綾子は沖縄生まれで、祖父の正男は台中生まれの本省人。
母は「静子」という日本名を持つ。父の二馬は大陸から来た外省人。
私本人は、台湾を出て欧米に長く暮らし、ドイツ人の男性をともなって帰国したところ。物語は、沖縄に生まれた祖母綾子が、いかにして台湾にやってきて、祖父に出会い、結婚したかから始まります。
祖母が台湾に来たのは、婚約者に会うためだった。
しかし、その婚約者はセデック族による日本人襲撃(霧社事件)により、命を落としていた。
そんな劇的ともいえる歴史事件と家族史とのかかわりがその後もずっと続きます。
太平洋戦争、終戦、国共内戦と国民党の台湾支配、二・二八事件、白色テロ事件。
台湾という国で生きてきた人々と、台湾という国が経験してきた数々の困難が重なります。
各世代を翻弄した運命と厳しい親子の断絶。どの一人を取ってもある意味「つらい」物語が三代続くのです。
解説によると、台湾ではベストセラーとなりテレビドラマ化されたというんです。
家族のドラマであると同時に、激動の歴史ドラマでもあるからおもしろくないはずがないです。
彼女の他の小説も面白そうなので、翻訳が出たらまた読んでみたいです。



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